【2026年版】電気代はなぜ上がる?値上げの仕組みと家計でできる3つの対策
※ 2026年5月時点の情報です
「最近、電気代の請求が高くなった気がする」。そう感じているなら、気のせいではありません。2026年は4月使用分から政府の電気・ガス料金支援(激変緩和措置)が終了し、さらに5月検針分から再エネ賦課金が1kWhあたり3.98円から4.18円に上昇するなど、電気料金が段階的に上昇しています。背景には再エネ賦課金の値上げ、燃料価格の変動、そして政府補助金の終了という3つの要因が重なっています。
この記事では、電気料金がどういう仕組みで決まるのかを整理したうえで、2026年に値上がりしている具体的な理由と、家計で取れる3つの対策を紹介します。
1. 2026年、電気代はどのくらい上がった?
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の2026年1〜3月の電気代は1月14,378円・2月15,633円・3月14,989円(月平均15,000円)でした。冬場は暖房需要で電気代が大きくなる時期です。
2026年4月使用分からは政府の電気料金補助が終了しています。補助適用中は低圧(家庭向け)で1kWhあたり1.5円〜4.5円の値引きが適用されていたため、月300kWhを使う世帯で月額450円〜1,350円程度の負担増になっています。
値上がりの幅は電力会社や契約プランによって異なりますが、「なんとなく高くなった」ではなく、制度面の変更が複数重なった結果です。次のセクションで、電気料金がどう決まるのかを確認してみましょう。
2. 電気料金の仕組み
電気料金は、大きく4つの要素で構成されています。
- 基本料金:契約アンペア数や契約プランに応じて毎月固定でかかる料金
- 電力量料金(従量料金):使った電力量(kWh)に応じてかかる料金。使用量が増えるほど単価が上がる段階制を採用している電力会社が多い
- 燃料費調整額:火力発電に使う燃料(原油・LNG・石炭)の価格変動を毎月の電気料金に反映する仕組み。燃料が高くなれば電気代も上がり、安くなれば下がる
- 再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金):太陽光や風力など再生可能エネルギーの買取費用を、電気の使用者全員で負担する制度。単価は全国一律で、毎年度見直される
つまり、電気代は「自分がどれだけ使ったか」だけでなく、「燃料がいくらか」「再エネの買取費用がいくらか」「政府の補助があるか」によっても上下します。2026年の値上がりは、この後ろ3つが同時に動いた結果です。
3. 値上げの3つの要因
① 再エネ賦課金が初の4円台に
経済産業省は2026年3月19日、2026年度の再エネ賦課金単価を1kWhあたり4.18円に設定しました。2025年度の3.98円から0.20円の上昇で、制度開始以来初めて4円を超えています。
この単価は2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。月に400kWh使う世帯の場合、再エネ賦課金だけで月額1,672円(年間約20,064円)の負担になります。
再エネ賦課金は再生可能エネルギーの普及を支える制度ですが、固定価格買取制度(FIT)で買い取る電力量が増えるほど、利用者の負担も増える構造になっています。
② 燃料費調整額の上昇
電気料金のうち燃料費調整額は、原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の3か月間の貿易統計価格にもとづき算定され、2か月後の電気料金に反映されます。
2026年前半は中東情勢の不安定化を背景に原油・LNG価格が上昇する場面があり、この影響が2か月のタイムラグを経て電気料金に反映されています。東京電力の場合、2026年6月分の燃料費調整単価も公表されており、燃料価格の変動が引き続き電気料金に影響しています。
燃料費調整額は電力会社・エリアごとに異なるため、具体的な金額は契約先の電力会社の公式サイトで確認してください。
③ 政府補助金の終了
政府は電気・ガス料金の負担を軽減するため、「電気・ガス料金支援」(激変緩和措置)を実施してきました。2026年1月〜3月使用分では電気料金に対して値引きが適用されていましたが、2026年3月使用分(4月請求分)を最後に補助が終了しています。
補助が適用されていた期間と比べると、4月使用分以降は値引き分(低圧で1kWhあたり1.5円〜4.5円)がそのまま負担増になっています。今後の追加支援については、2026年5月23日時点で政府からの正式な発表はありませんが、報道では夏季の電気・ガス補助金として約5,000億円規模を検討中と伝えられており、昨年(2025年)の補助(7月・9月2円、8月2.4円/kWh)に1〜2円上乗せする案が関係者取材で判明したとされています。
4. 家計でできる3つの対策
電気料金の制度面(再エネ賦課金・燃料費調整)は個人でコントロールできませんが、使い方や契約の見直しで負担を抑える余地はあります。
① 使用量を減らす(すぐできる)
電気代を下げるもっともシンプルな方法は、使用量そのものを減らすことです。以下は効果が大きい順に並べた見直しポイントです。
- エアコンの設定温度:冷房28℃・暖房20℃が目安。環境省によると、暖房の設定温度を1℃下げると消費電力を約10%削減できる
- 古い家電の買い替え:10年程度前のエアコン・冷蔵庫は最新モデルと比べて消費電力が大きい。例えば401〜450Lクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は2016年の平均353kWh/年から2024年の平均293kWh/年へ約17%減少しており、1kWh=27円換算で年間約1,620円の電気代差になる。買い替え費用そのものを電気代だけで回収するのは難しいが、故障時の選び方の参考になる
- 常時通電している機器の見直し:電源を入れっぱなしにしがちな機器は、設定の見直しで電気代を抑えられる。例えば貯湯式の温水洗浄便座は、使わないときにフタを閉めると年間約940円、便座の設定温度を一段階(中→弱)下げると年間約710円、洗浄水の温度を一段階(中→弱)下げると年間約370円の節約になる(いずれも省エネルギーセンターの実測値ベースで、各項目を単独で見直した場合の値。複数を同時に行っても効果は単純な足し算にはならない)。なお使っていない家電のコンセントを抜く・スイッチ付き電源タップで切る方法もあるが、最近の機器は1台あたりの待機電力が小さく、効果は限定的
② 契約プラン・電力会社を見直す(一度の手続きで完了)
2016年の電力小売全面自由化以降、家庭でも電力会社やプランを自由に選べるようになっています。以下のポイントを確認してみてください。
- 契約アンペア数:必要以上に高いアンペアで契約していないか。一人暮らしで40A以上は見直しの余地がある
- 料金プラン:時間帯別プランやオール電化向けプランなど、生活スタイルに合ったプランを選んでいるか
- 電力会社の切り替え:新電力の料金体系は電力会社ごとに異なり、使用量の多い世帯ほど差が出やすい。比較する際は燃料費調整の上限設定の有無にも注目する
③ 固定費全体の中で優先順位をつける(長期視点)
電気代だけに注目すると効果は限定的です。固定費全体を見渡して、削減効果の大きい費目から手を付けるのが効率的です。
通信費(スマートフォン・光回線)、保険料、サブスクリプションサービスなど、毎月固定で出ていく支出を洗い出し、金額の大きい順に見直していくと、月数千円〜1万円以上の改善につながるケースもあります。
固定費の見直しで浮いたお金をポイント還元率の高い決済方法と組み合わせれば、さらに家計の効率化が進みます。
また、通信費やネットショッピングなど特定のサービスをまとめて利用するなら、ポイント経済圏を活用する方法もあります。自分がよく使うサービスに合った経済圏を選ぶと、固定費の支払いでもポイントが貯まりやすくなります。
5. 今後の見通し
2026年後半以降の電気料金は、以下の動向に左右されます。
- 燃料価格:中東情勢やLNG市場の需給バランス次第で、燃料費調整額がさらに上がる可能性も下がる可能性もある
- 政府の追加支援:2026年5月23日時点で正式発表はないが、夏季の電気・ガス補助金として約5,000億円規模を検討中と報じられており、夏場の電気代を一定程度抑える可能性がある
- 再エネ賦課金:2026年度の単価4.18円/kWhは2027年4月検針分まで適用。2027年度以降はFIT買取量の推移によって変動する
電気代は季節要因でも大きく変動するため、夏の冷房シーズン・冬の暖房シーズンに備えて、今のうちから使用量と契約プランを見直しておくと安心です。
6. よくある質問
再エネ賦課金はなぜ毎年上がるの?
電力会社を切り替えると本当に安くなる?
電気代の補助金は2026年4月以降もある?
オール電化の家庭は影響が大きい?
7. まとめ
2026年の電気代値上げは、再エネ賦課金の4円台突入・燃料費調整額の上昇・政府補助金の終了という3つの要因が重なった結果です。
電気料金の制度面は個人では変えられませんが、使用量の見直し・契約プランの最適化・固定費全体での優先順位づけの3ステップで、家計への影響を抑えることはできます。
電気代だけでなく通信費や保険料も含めた固定費全体を見直したい方は、ポイント経済圏の活用も検討してみてください。普段の支払いでポイントを貯める仕組みを整えれば、固定費の負担を間接的に軽くできます。
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