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給与明細の読み方ガイド|手取り・控除・社会保険料の内訳を整理

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※ 2026年6月時点の情報です

「手取りが先月より減っている気がする」「控除の欄に並ぶ項目が多くて、何がいくら引かれているか分からない」——給与明細を受け取っても、差引支給額(振込額)だけ確認して終わりにしていませんか。

給与明細は「支給」「控除」「差引支給額」の3ブロックで構成されています。それぞれの中身を理解すると、毎月の手取りがどう決まるのか、なぜ6月に金額が変わるのかが見えてきます。この記事では、給与明細に並ぶ主な項目の意味と、控除されている社会保険料・税金の仕組みを整理します。

1. 給与明細は3つのブロックでできている

給与明細のフォーマットは会社によって異なりますが、大きく分けて次の3つのブロックで構成されている点は共通です。

  • 支給:会社から支払われる金額の内訳(基本給・残業手当・通勤手当など)
  • 控除:支給額から差し引かれる金額の内訳(社会保険料・税金など)
  • 差引支給額:支給の合計から控除の合計を引いた金額。銀行口座に振り込まれる、いわゆる「手取り」

計算式にすると次のとおりです。

差引支給額(手取り)= 支給合計 − 控除合計

手取りを正確に把握するには、支給と控除それぞれに何が含まれているかを知る必要があります。順番に見ていきましょう。

2. 「支給」の内訳

支給欄には、会社から支払われる金額が項目ごとに記載されています。主な項目は次のとおりです。

基本給

毎月固定で支払われる給与のベース部分です。昇給や等級変更がない限り、原則として毎月同じ金額が記載されます。

残業手当(時間外手当)

所定労働時間を超えて働いた分に対する手当です。残業時間数に応じて毎月変動します。

通勤手当

自宅から勤務先までの交通費です。通勤手当には所得税の非課税枠があるため、課税対象の支給額とは分けて記載されている場合があります。

その他の手当

住宅手当・家族手当・役職手当・資格手当など、会社の制度によってさまざまな手当が設けられています。自社にどんな手当があるかは、就業規則や雇用契約書で確認できます。

これらの合計が「総支給額」(額面)です。ここから次に説明する控除を差し引いた金額が手取りになります。

3. 「控除」の内訳①:社会保険料

控除欄の中でも大きな割合を占めるのが社会保険料です。会社員の場合、次の保険料が給与から天引きされます。

① 健康保険料

病気やケガで医療機関を受診した際の自己負担を軽減するための保険です。保険料率は、加入する健康保険組合や協会けんぽの支部(都道府県)によって異なります。協会けんぽの場合、2026年度の全国平均保険料率は9.9%で、会社と従業員が保険料額の半分ずつを負担します。従業員負担分はその半分の約5%(9.9%÷2)です。

② 厚生年金保険料

将来受け取る老齢厚生年金の財源となる保険料です。保険料率は18.3%で、事業主と被保険者とが半分ずつ負担します。給与明細に記載されるのは従業員負担分の9.15%にあたる金額です。社会保険料の中では最も金額が大きい項目になります。

③ 雇用保険料

失業した場合の失業手当(基本手当)や、育児休業給付・教育訓練給付などの財源となる保険料です。2026年度の一般の事業における労働者負担の保険料率は5/1,000(0.5%)です。健康保険や厚生年金と比べると天引き額は小さめです。

④ 介護保険料(40歳以上)

40歳以上65歳未満の被保険者は、健康保険料に加えて介護保険料(2026年度は1.62%)も給与から天引きされます。40歳から64歳までの方が介護保険第2号被保険者に該当するため、40歳の誕生月前後で手取りが変わることがあります。

これらの社会保険料は「標準報酬月額」という等級をもとに計算されます。標準報酬月額は毎年4〜6月の報酬の平均額をもとに9月に見直される仕組み(定時決定)です。この3か月間に残業手当が多いと等級が上がり、9月以降の保険料が増えることがあります。

4. 「控除」の内訳②:所得税と住民税

社会保険料に加えて、2種類の税金が給与から天引きされます。

所得税

国に納める税金です。税率は課税される所得金額に応じて5%から45%までの7段階に分かれる累進課税の仕組みです。所得が多いほど税率が上がります。

毎月の給与からは、会社が源泉徴収税額表に基づいて概算額を天引きし(源泉徴収)、12月の年末調整で1年間の過不足を精算します。扶養家族の人数や生命保険料控除などの申告内容によって金額が変わるため、年末調整後の12月〜1月の給与で調整額が反映されます。

住民税

住んでいる都道府県と市区町村に納める税金です。所得割(標準税率10%:道府県民税4%+市区町村民税6%)と均等割の2つで構成されています。

所得税との大きな違いは、住民税は前年の所得に基づいて計算される点です。2025年1月〜12月の所得をもとに計算された住民税が、2026年6月〜2027年5月の給与から天引きされます。このため、就職1年目は住民税の天引きがなく、2年目の6月から始まります。

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5. 6月に手取りが変わる理由

毎年6月に手取りが変わるのは、住民税の年度切り替えがこの時期に行われるためです。

住民税の天引き(特別徴収)は毎年6月から翌年5月までの12回払いです。6月に届く「住民税決定通知書」に記載された年間税額をもとに、その年の6月〜翌年5月の月々の天引き額が決まります。前年の収入が増えていれば住民税も増えるため、6月の給与で天引き額が上がり、手取りが減ったように感じます。

住民税決定通知書が届いたら、次の点を確認してみてください。

  • 前年と比べて「課税標準額」がどう変わったか
  • 適用されている「所得控除」の種類と金額
  • 月々の天引き額(特別徴収税額)

住民税の負担を軽くする方法のひとつに、所得控除の活用があります。たとえば次のような制度を使うと、所得税・住民税の計算のもとになる課税所得が下がり、翌年度以降の税負担が軽減されます。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になり、所得税と住民税の両方が軽減されます。自営業者・会社員・公務員など、公的年金の被保険者であれば加入できます
  • ふるさと納税寄附金額から2,000円を引いた分が、所得税の還付と住民税の減額(寄附金控除)として戻ってきます

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6. よくある質問

手取りは額面のどのくらいになる?
社会保険料と税金の合計によって決まるため、年収や扶養家族の有無で変わります。目安として、社会保険料の従業員負担分だけで額面の約15%前後(健康保険の全国平均約5%+厚生年金9.15%+雇用保険0.5%の合計)が控除されます。ここに所得税と住民税が加わります。正確な手取りは給与明細の差引支給額で確認できます。
4〜6月に残業が多いと社会保険料が上がる?
上がる可能性があります。社会保険料の計算基準となる「標準報酬月額」は、毎年4月・5月・6月の3か月間の報酬の平均額をもとに、その年の9月に見直されます(定時決定)。この期間に残業手当が多いと標準報酬月額の等級が上がり、9月以降の健康保険料と厚生年金保険料が増えることがあります。
住民税が給与から引かれていないのはなぜ?
就職1年目であれば、住民税がかかっていない可能性が高いです。住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、前年に所得がなければ住民税は発生しません。天引きは2年目の6月から始まります。また、前年の所得が住民税の非課税基準以下の場合も天引きはありません。非課税の基準は自治体ごとに異なるため、詳細はお住まいの市区町村の公式サイトで確認できます。
転職したら住民税の払い方はどうなる?
退職する月によって扱いが変わります。翌年1月1日〜4月30日に退職する場合は、その年の5月分までの残りの住民税が、最後の給与や退職手当からまとめて天引き(一括徴収)されます。6月1日〜12月31日に退職する場合は、本人が希望すれば残りをまとめて天引きしてもらえますが、希望しなければ自分で納付書を使って納める普通徴収に切り替わります。5月に退職する場合は、5月分が住民税の天引き(6月から翌年5月までの12回)の最終回にあたり、まとめる残りがないため、通常どおり最後の給与から差し引かれてその年度分の納付が完了します。

7. まとめ

給与明細は「支給」「控除」「差引支給額」の3ブロックで構成されています。控除の中身を整理すると、次の2つに分かれます。

  • 社会保険料:健康保険・厚生年金・雇用保険(40歳以上は介護保険も加わる)
  • 税金:所得税(その年の見込み額を毎月源泉徴収し年末調整で精算)と住民税(前年の所得に基づき6月〜翌5月で天引き)

6月に手取りが変わるのは住民税の年度更新によるものです。住民税決定通知書が届いたら、適用されている控除の内容を確認してみましょう。iDeCoやふるさと納税の活用は、所得控除を通じて翌年度以降の税負担を軽減する方法のひとつです。

手取りの仕組みが分かったら、毎月の支出の見直しも次のステップとして検討してみてください。通信費・光熱費・保険料といった固定費は、支払い方法の工夫でポイント還元を受けられるケースがあります。

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