夏の電気代を抑える方法|エアコン節電のコツと固定費の見直しポイント【2026年最新】
※ 2026年6月時点の情報です
「冷房を1日中つけると電気代が怖い」「去年より検針票の金額が高い気がする」――夏が近づくと、こうした不安を感じる方は多いのではないでしょうか。実際、夏の家庭の電気使用量はエアコン稼働の影響で大きく増えます。2026年は政府が7月使用分から9月使用分を対象に電気・ガス料金支援を実施するものの値引き単価は限られ、再エネ賦課金も5月検針分から1kWhあたり4.18円へ上昇しているため、補助だけに頼らず使い方を見直すことが欠かせません。
この記事では、夏のエアコンを中心に、家庭ですぐ取り組める節電のコツと、電気代だけでなく固定費全体に目を向ける視点を整理します。
1. 夏の電気代が高くなる理由
夏に電気代が膨らむのは、冷房需要が一気に増えるためです。環境省の家庭部門のCO2排出実態統計調査(令和5年度)によると、暑い時期の平日のエアコン使用時間は「4〜8時間未満」が最も多く全体の24%を占めています。1日のかなりの時間にわたってエアコンが動いている世帯が一定数いるということです。
同じ調査では冷房時の設定温度について28℃の世帯が最も多く全体の3割、27℃以上の世帯で約6割を占めています。逆に言えば、26℃以下に設定している世帯も一定数あり、自分の家庭が平均より低めに設定しているなら、見直しの余地が大きい可能性があります。
加えて2026年は、酷暑で電気の使用量が増える時期の家計負担を抑えるため、政府が2026年7月使用分から9月使用分を対象に電気・ガス料金支援を実施します。電気(低圧・一般家庭)の値引き単価は7月・9月使用分が1kWhあたり3.5円、8月使用分が4.5円で、契約先の電力会社が毎月の請求額から自動で差し引くため申請は不要です。ただし値引き単価は限られ、対象も7〜9月の3か月分のみです。さらに5月検針分からは再エネ賦課金が1kWhあたり3.98円から4.18円へ上昇しているため、補助でカバーしきれない部分もあります。だからこそ、使い方そのものを見直して電気代を抑えることが大切です。
2. エアコン節電の5つのコツ
家庭でできるエアコン節電のうち、効果が公的データで裏付けられているポイントを順に整理します。
① 設定温度を1℃見直す
環境省は夏の冷房時の室温の目安を28℃としています。資源エネルギー庁の試算では、外気温31℃のとき、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から1℃上げると、年間で約30.24kWh・約940円の節約になります(1日9時間使用の場合)。
ただし、これは「室温の目安」であって体感温度には湿度や日射の影響もあります。健康を損なうような無理な我慢は避け、自分の家庭の現状設定から1〜2℃見直すのが現実的です。
② フィルターを月に1〜2回掃除する
フィルターのほこりが詰まると、冷気の通り道が狭くなり、同じ温度に冷やすのに余計な電力が必要になります。資源エネルギー庁の試算では、フィルターが目詰まりしたエアコン(2.2kW)と清掃した場合を比べると、年間で約31.95kWh・約990円の節約になります。月に1〜2回を目安に掃除しましょう。
掃除機で表面のほこりを吸い取り、汚れがひどい場合は水洗いして完全に乾かしてから戻すだけで完了します。専用の洗剤や工具は不要で、コストはほとんどかかりません。
③ 室外機の周りを整理する
エアコンの効率は室内機だけでなく、室外機の状態にも左右されます。資源エネルギー庁も、室外機の吹出口にものを置くと冷暖房の効果が下がるとしています。周囲の植木鉢・ゴミ袋・自転車などを動かして、風通しを確保しましょう。
直射日光が当たる位置にある室外機は、日よけを設置するのも有効です。ただし吹出口・吸込口を塞いでしまうと逆効果なので、上部に日陰を作るイメージで設置します。
④ サーキュレーターや扇風機を併用する
冷房は天井付近に冷気が溜まりにくく、部屋の上下で温度差が生まれやすい構造です。資源エネルギー庁も、扇風機を併用すると風が体にあたって涼しく感じるとしており、設定温度を必要以上に下げずに済む効果が期待できます。サーキュレーターでも同様に空気を循環できます。
設置場所は、エアコンの対角線上の床に置いて天井に向ける、もしくはエアコンの下から部屋全体に風を送る配置が基本です。
⑤ 窓からの熱を遮る
夏の室温上昇の大きな要因は、窓から入る日射です。資源エネルギー庁は、レースのカーテンやすだれで日差しをカットし、外出時は昼間でもカーテンを閉めると効果的としています。厚手のカーテンや断熱シートを使うとさらに効果的です。
賃貸でも導入しやすい対策として、すだれや遮光フィルムも選択肢になります。
3. エアコン以外の夏の節電ポイント
夏の電力消費はエアコンの比率が大きいものの、他の家電にも工夫できる余地があります。
古いエアコン・冷蔵庫は買い替え時に省エネ性能をチェック
10年以上前の家電は、最新モデルと比べて消費電力が大きい傾向があります。例えば省エネルギーセンターの省エネ性能カタログによると、401〜450Lクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は2016年の平均353kWh/年から2024年の平均293kWh/年へ約17%減少しています。1kWh=27円換算で年間約1,620円の電気代差です。
買い替え費用そのものを電気代の差額だけで回収するのは難しいケースが多いため、いますぐ買い替える理由にはなりにくいものの、故障時の機種選びの参考にはなります。
温水洗浄便座は夏場こそ設定を見直す
夏は便座保温の必要性が下がります。省エネ性能カタログによれば、貯湯式の温水洗浄便座は使わないときにフタを閉めると年間約940円、便座の設定温度を一段階(中→弱)下げると年間約710円、洗浄水の温度を一段階(中→弱)下げると年間約370円の節約になります(いずれも各項目を単独で見直した場合の値で、複数を同時に行っても効果は単純な足し算にはなりません)。夏場は便座のヒーターをオフにしたり、温度を最低設定まで下げたりするだけでも変化が出ます。
待機電力にも目を向ける
使っていない家電も、コンセントにつないだままだと待機電力を消費します。長期間使わない季節家電や予備機器は、コンセントを抜くかスイッチ付き電源タップでまとめてオフにできます。頻繁に抜き差しすると操作が面倒で続きにくいため、まずは「シーズンオフの暖房器具」「使っていない予備の家電」など、長期間動かさないものから切るのが取り組みやすい範囲です。
4. 電気代以外の固定費にも目を向ける
夏のエアコン節電は効果が見えやすい一方、エアコン1台あたりで削減できる金額には上限があります。家計全体で見ると、通信費・保険料・サブスクリプションなど他の固定費も含めて整理した方が、月数千円〜1万円規模の改善につながるケースが多くあります。
電気代の節約と並行して、固定費の支払い経路そのものを見直しておくと効果が長く続きます。電気・ガス・通信費などの月額支出をクレジットカード払いに集約すれば、何もしなくてもポイント還元という形で実質的な値引きが続きます。電気代の節約効果と組み合わせれば、家計の負担を継続的に軽くできます。
普段よく使うサービス(楽天・PayPay・dポイントなど)に合わせて経済圏を選ぶと、固定費の支払いでもポイントが貯まりやすくなります。自分の生活圏との相性を踏まえて選びたい方は、経済圏全体の比較記事も参考になります。
5. やりがちな節電の落とし穴
節電のつもりで取り組んでいる行動が、実は効果が小さい・期待通りに働かないケースもあります。
設定温度を極端に下げてから戻す
「早く冷やしたいから一旦20℃で設定」というやり方は、目標温度に達した後の戻し忘れで冷やしすぎてしまうリスクがあります。ダイキン工業による検証では、風量設定を「自動」にすると部屋が冷えるまでは強風、その後は微風と効率よく風量を調整するため、風量「弱」より消費電力量が約3割少ないという結果が示されています。ただしこれはひとつの住宅での実験にもとづく結果で、同社も調査結果はあくまで目安であり、住環境や気温などによって変わるとしています。設定温度を極端に下げるよりも、温度はそのままで風量を「自動」に任せるのが、迷ったときの無難な選択肢です。
こまめなオン・オフだけに頼る
ダイキン工業の夏の検証では、日中(9〜18時)の外気温が高い時間帯は、30分程度の外出ならエアコンを切るより「つけっぱなし」のほうが消費電力量が少なかったと報告されています。エアコンは設定温度と外気温の差が大きいほど立ち上がりに電力を使うため、暑い日中の短時間の外出では、こまめに切るとかえって負荷を増やしてしまうことがあります。半日以上家を空けるなら切る、日中の短時間の外出ならつけたままにする、といった切り分けが目安です。具体的な分岐点は機種・断熱性能・気温で変わるため、メーカーの公式情報や検針票の推移を見ながら自分の家に合うパターンを探ってみてください。
電気代だけにフォーカスしすぎる
夏は電気代が目立ちますが、年間で見ると通信費・保険料のほうが負担が大きいケースは少なくありません。電気代の節約に集中するあまり、月額負担の大きい固定費を放置していないか、一度家計全体を見渡してみるとよいでしょう。
6. よくある質問
冷房は28℃に設定すれば必ず安くなる?
フィルター掃除はどのくらいの頻度ですればいい?
サーキュレーターを買い足すと、その電気代の方が高くつかない?
電気代の補助金は2026年夏に復活する?
7. まとめ
夏の電気代を抑えるには、(1) エアコンの設定温度・フィルター・室外機・サーキュレーターの組み合わせで使い方を最適化、(2) 冷蔵庫や温水洗浄便座など他の家電の設定を見直す、(3) 電気代以外の固定費も含めて家計全体を整理する、という3段階で考えるのが効率的です。
エアコン1台あたりで節電できる金額には上限があるため、節電と並行して固定費の支払い経路を最適化しておくと、家計の負担を継続的に軽くできます。次の一歩として、自分が払っている固定費の支払い方法を一度振り返ってみてください。
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