確定申告とは?初めての人向けに対象者・必要書類・申告の流れを解説
※ 2026年10月時点の情報です
「確定申告って、自分もやらないといけないの?」「副業やふるさと納税をしたけれど、何から手をつければいいのか分からない」確定申告は、1年間の所得と、それにかかる税金を自分で計算して申告・納税する手続きです。会社員の多くは勤務先の年末調整で手続きが終わりますが、副業で一定額を稼いだ人や、医療費控除・ふるさと納税などで払い過ぎた税金を取り戻したい人は、自分で確定申告をする必要があります。
この記事では、確定申告が必要になる人・したほうが得な人の見分け方、必要書類、申告の流れを、初めての方向けに解説します。難しそうに見える手続きも、順番に見ていけば1つずつ片づけられます。
1. 確定申告とは?
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算して確定させる手続きです。給与から天引きされた源泉徴収税額や、すでに納めた予定納税額がある場合は、この手続きで過不足を精算します。
ポイントは次の3つです。
- 対象になるのは1年間(1月〜12月)の所得:その年に得た所得をまとめて計算する
- 申告と納税の期限は原則として翌年2月16日〜3月15日:原則として、その年の翌年2月16日から3月15日までに申告・納税する(期限が土日・祝日にあたる年は翌開庁日まで延びます)
- 会社員は年末調整で代わりに精算されることが多い:勤務先が給与について年末調整をしてくれるため、多くの会社員は自分で確定申告をしなくても税金の精算が完了する
「自分でやる税金の精算」が確定申告、「勤務先が給与について代わりにやってくれる精算」が年末調整、と整理するとイメージしやすくなります。セクション2: 確定申告が必要な人・したほうが得な人で、どんな人が自分で確定申告をする必要があるのかを見ていきます。
2. 確定申告が必要な人・したほうが得な人
確定申告が関係する人は、大きく「①しないといけない人(義務)」「②しなくてもよいが、したほうが得な人(還付)」「③しなくてよい人」の3つに分かれます。自分がどこに当てはまるかを確認しましょう。
① 確定申告をしないといけない人
事業や副業などで所得があり、納める所得税が生じる人は、確定申告が必要です。代表的なのは次のようなケースです。
- 個人事業主・フリーランス:事業所得や不動産所得などがあり、所得金額の合計が所得控除の合計を上回って納める所得税が生じる人(所得の合計額が所得控除の合計額を超え、その税額が一定額を超える場合に申告が必要)
- 給与収入が2,000万円を超える会社員:給与の年間収入金額が2,000万円を超える人は年末調整の対象外になる
- 副業などで給与以外の所得が20万円を超える会社員:1か所から給与を受けていて、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える人
- 2か所以上から給与を受けている人:2か所以上から給与を受け、年末調整されなかった給与と他の所得の合計が20万円を超える人
- 同族会社の役員などで、その会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人(国税庁が申告が必要な人として挙げているケース)
公的年金を受け取っている人は、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は確定申告の必要はありません(確定申告不要制度)。この金額を超える場合は申告が必要になります。
② 確定申告をしたほうが得な人(還付申告)
義務ではないものの、確定申告をすると払い過ぎた所得税が戻ってくる(還付される)ケースがあります。これを還付申告といいます。会社員でも、年末調整では精算できない次のような控除がある人は、自分で申告することでお金が戻ってくる可能性があります。
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない人:年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎになっているとき
- 1年間の医療費が多くかかった人:多額の医療費を支出したとき(医療費控除)
- ふるさと納税や寄附をした人:特定の寄附をしたとき(寄附金控除)
- 住宅ローンを組んだ1年目の人:住宅ローンがあるとき(住宅借入金等特別控除)(会社員は2年目以降は年末調整で手続きできます)
還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。2月16日を待たずに提出でき、過去の分を忘れていた場合もさかのぼって申告できます。
③ 確定申告をしなくてよい人
次のような人は、原則として自分で確定申告をする必要はありません。
- 1か所から給与を受け、年末調整が済んでいる会社員(給与以外の所得が20万円以下の場合)
- ふるさと納税をワンストップ特例制度で申請した人:確定申告が不要な給与所得者等で、ふるさと納税先が5団体以内の場合は、各自治体に申請することで確定申告をせずに控除を受けられます。ただし6団体以上に寄附した場合や、医療費控除などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例は適用されず確定申告が必要になります
- 公的年金等の収入が400万円以下で、他の所得が20万円以下の年金受給者(前述の確定申告不要制度に該当する場合)
なお、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。お住まいの市区町村の案内で確認してください。
3. 確定申告に必要な書類
確定申告の書類は、申告する内容によって変わりますが、多くの人に共通するのは次のものです。国税庁の確定申告の手引き(申告書に添付・提示する書類)をもとに整理します。
全員に共通する書類
- 本人確認書類:マイナンバーの記載と本人確認書類が必要です。マイナンバーカードがあれば番号確認と身元確認が1枚ででき、カードがない場合は番号確認書類(通知カード、マイナンバーが記載された住民票の写しなど)と身元確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証など)の2種類が必要です
- 所得がわかる書類:会社員・年金受給者は源泉徴収票、個人事業主・フリーランスは1年間の売上や経費を集計した帳簿・収支内訳書(青色申告の場合は青色申告決算書)
- 還付を受ける預貯金口座の情報:還付金を受け取る本人名義の口座番号
受けたい控除に応じて追加する書類
- 各種控除証明書:社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除などの控除証明書
- 医療費控除の明細書:医療費控除を受ける場合の明細書(1年間の医療費を集計して作成します)
- 寄附金の受領証明書:ふるさと納税などの寄附金控除を受ける場合の受領証明書
書類は申告の時期になって慌てて探すと見つからないことが多いため、源泉徴収票や控除証明書が手元に届いたら、1つのクリアファイルにまとめておくと準備が楽になります。
4. 確定申告の流れ(4ステップ)
初めての確定申告は、次の4ステップで進めます。順番に片づけていけば、一度に全部を抱え込まずに済みます。
① 必要書類を集めて所得・控除を集計する
まず、セクション3: 確定申告に必要な書類で挙げた書類を集めます。会社員は源泉徴収票、個人事業主は1年間の売上と経費を集計し、受けたい控除の証明書をそろえます。医療費控除を受ける場合は、1年間の医療費を集計した明細書を作成しておきます。
② 確定申告書を作成する
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、所得税申告書などの各種申告書を作成でき、e-Taxにより送信できます。画面の案内に沿って金額を入力していくと、税額が自動で計算されるため、計算に不安がある初めての方でも進めやすくなっています。手書きの申告書で作成する方法や、会計ソフトを使う方法もあります。
③ 確定申告書を提出する
確定申告書の提出方法は、次の3つです。
- e-Tax(電子申告)で送信する:自宅からインターネットで提出できる。e-Taxで送信する場合は、本人確認書類の提示や写しの提出は不要
- 郵便または信書便で所轄の税務署に送付する
- 所轄の税務署の受付窓口に持参する
④ 納税する、または還付を受ける
計算の結果、納める税金がある場合は期限(原則3月15日)までに納税します。口座振替、e-Taxによるダイレクト納付、クレジットカード納付、コンビニ納付などから選べます。逆に払い過ぎていた場合は、確定申告書の「還付される税金の受取場所」欄に記入した本人名義の預貯金口座に、後日還付金が振り込まれます。登録済みの公金受取口座を利用する場合はこの欄の記入が不要で、ゆうちょ銀行の店舗や郵便局の窓口で受け取ることもできます。
5. 青色申告と白色申告の違い
個人事業主・フリーランスが事業所得などを申告する場合、申告の方法に「青色申告」と「白色申告」の2つがあります。会社員が還付申告をするだけなら関係しませんが、事業を始めた人は知っておくと税金の負担を抑えられます。
青色申告は、一定の帳簿をつけて申告することで税制上の特典を受けられる制度です。対象になるのは不動産所得・事業所得・山林所得のある人で、代表的な特典が青色申告特別控除です。
- 最高65万円の控除:正規の簿記の原則で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告し、さらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行う場合
- 最高55万円の控除:正規の簿記の原則で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告する場合
- 最高10万円の控除:上記以外の青色申告の場合(簡易な記帳)
一方の白色申告は、青色申告の事前の承認申請がいらず帳簿づけが比較的簡単ですが、青色申告特別控除のような特典はありません。これから継続して事業の収入を得ていく予定なら、帳簿づけの手間はかかっても特別控除を受けられる青色申告が選択肢になります。青色申告をするには事前に税務署へ承認申請書を提出する必要があるため、始めるタイミングで検討しておきましょう。
6. 初めての確定申告で気をつけたい3つの注意点
① 期限を過ぎると加算税・延滞税がかかる
期限内に申告しなかった場合、納めるべき税額に対して無申告加算税がかかります。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をすれば税率は5%ですが、調査後の申告では原則15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%)に上がります。さらに、納付が遅れた日数に応じた延滞税もあわせてかかります。期限に間に合いそうにないときでも、気づいた時点で早めに申告・納税するほど負担を抑えられます。
② 住民税の申告が別途必要になる場合がある
所得税の確定申告をすれば、その情報は市区町村にも共有されるため、住民税のための別の手続きは原則不要です。ただし、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税は別途申告が必要になることがあります。自分が該当するか分からないときは、お住まいの市区町村の窓口・ホームページで確認しましょう。
③ 提出した書類・帳簿は一定期間保管する
確定申告で使った帳簿や書類は、提出後も手元で保管しておく必要があります。医療費の領収書のように、確定申告時の提出は不要でも、あとから税務署に提示・提出を求められる場合があるものもあります。提出・保管の要否は書類によって異なるため、申告後も捨てずにまとめて保管しておくと安心です。
7. よくある質問
会社員ですが、確定申告は必要ですか?
確定申告はいつからいつまでにすればいいですか?
確定申告に必要な書類は何ですか?
ふるさと納税をしましたが、確定申告は必要ですか?
確定申告をしないとどうなりますか?
8. まとめ
確定申告は、1年間の所得と税金を自分で計算して申告・納税する手続きです。難しそうに見えても、「自分は申告が必要か」を確認し、書類をそろえて4ステップで進めれば、初めてでも対応できます。この記事の要点を整理します。
- 確定申告が必要な人:個人事業主・フリーランス、給与収入2,000万円超や副業所得20万円超などの会社員、年金収入400万円超の人など
- したほうが得な人(還付申告):医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除1年目・年の途中退職など。還付申告は翌年1月1日から5年間提出できる
- 必要書類:本人確認書類、源泉徴収票または帳簿、還付口座の情報、受けたい控除の証明書
- 申告の流れ:①書類を集めて集計 → ②確定申告書等作成コーナーなどで作成 → ③e-Tax・郵送・窓口で提出 → ④納税または還付
確定申告で払い過ぎた税金を取り戻せたら、その還付金を使い道のないまま置いておくのではなく、将来に向けた資産形成に回すと家計の体力を底上げできます。非課税で投資ができる新NISAを、ポイント還元を受けながらクレカ積立で始める方法は、次の記事で解説しています。
こちらの記事もおすすめ
この記事と一緒によく読まれています